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吾妻渓谷の入り口。
私は目の前の光景に唖然とした。
山が迫り、太陽光の多くが木々に遮られた渓谷の入り口では、今までとは比べ物にならない程桁違いに雪の量が増えたからだ。
もはや歩道は雪で埋め尽くされ、とうとう道の真ん中にさえ堂々と雪が残っている。
見渡す限りの雪、雪、雪…
これだけの雪で一体どれだけの雪ダルマが作れるのだろうか。
普段雪を見慣れない地域に住む者にとって、目の前にこれだけ大量の雪があることを理解することは、なかなかに難しいことであった。
雪道に足跡を付けてみたり、雪玉を作ってみたり、看板と雪景色をバックに記念写真を撮ってみたり…
しばらくの間私は、自転車から降りて、雪の渓谷を散策しながら雪と戯れた。
これほどの雪である。
当然のことながら渓谷の間は歩道で自転車を押して歩いた(^_^;
吾妻渓谷は2km程で終わりを告げ、私は川原湯温泉郷へと到着した。
渓谷を出ると視界が一気に開ける。
太陽の日差しが眩しい程だ。
もう長野原草津口までは5kmもないだろう。
渓谷を抜けて私は国道145号線を黙々と走り進めた。
走り進める。
進める進める…
…
なんだか、進んでいる気がしない。
…
ちょっと休憩。
…
…
う〜ん、なんだか進み具合が鈍い。
…
またまた休憩。
…
…
あぁ、やっぱり全然前に進んでいる気がしない。
長野原草津口までもう間もなくという所で、私の行程は困難を極めた。
路肩の雪は以外にも秋の渓谷以外は、車道を一面に覆うという事もなく、いたって普通に走行出来ていたのだが、傾斜が先程までより幾分厳しくなった気がするからだ。
何より先程の吾妻渓谷の雪景色の感動が強烈過ぎて、渓谷を抜け、雪の量が再び少なくなってしまった分、雪景色に対しての感動がその分薄れてしまった…
精神的な楽しみがなくなったのは痛い…
そうして身体的にもメンタル的にも苦戦することしばらく。
そろそろ日が傾きかけた午後1時半頃に私は、なんとか長野原草津口の駅へとたどり着くことが出来たのであった。
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