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さてさて、すっかり太ももの疲れも気分もリフレッシュ出来た私は滝沢ダムを後にし、再び自転車に乗ってここからさらに上流に位置する中津峡を目指して自転車を走らせて行った。
滝沢ダムの湖畔を左手に眺めながらいくつかのトンネルを抜け、私はとうとう中津峡の入口である国道140号線と県道210号線との分岐点に辿り着いた。
ここまで来るといよいよ本当に「奥」秩父という感じである。
辺りからは全くもって一切の人の気も感じることは出来ない。
観光客の気配さえない。
そこにはただただ山と川と、自然とがひたすらに広がる光景があっただけであった。
こんなにも周囲の音が森の木々に吸収され、静かな、そして澄んだ空気が広がる場所は今までも私は数限りなく自転車でどこかへ出掛けて来たが身であったが、私にとっても初めて体験するような場所であった。
県道に入ってもしばらくトンネル基調は続いた。
たま〜に後ろからやって来る車の音だけが、静かな自然の空間を破っていく。
走っていてふと気付いたのは、わりと普通にあたりそこら中で滝が流れ落ちていることである。
岩壁から染みる湧き水で道が濡れていることもしばしばだった。
また1つトンネルを抜けて行く。
すると、私が今走っている道の対岸、峡谷の急激な傾斜の中でも本当にわずかばかりの箇所に小さな小さな集落が存在していることを私は確認した。
こんなところにも人が住んでいるのか…
私はその事実にただただ驚くばかりであった。
集落を過ぎることしばらく。
私はとうとう今回の自転車旅行の最終目的地である中津峡へと到着したのだった。
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